10月26日、名古屋産業大学のPBL(プロジェクト実習)に行ってきました。4回目です。月曜の3限、13時から14時半まで。
前回の記事に「この日は所用で、私は行けません」と書いたのですが、都合がついたので行きました。書いたそばから前言を撤回することになりました。
この授業は、学生が考えた商品をギルドデザインが3Dプリンターで試作して、年明けにヤフオクで実際に売るところまでやります。前回は一人ずつ商品アイデアを発表して、最後に学生同士で採点したところで終わり。採点用紙は先生が持ち帰って集計することになっていました。
4案が選ばれた
この日のあたまで、野間先生から結果の発表がありました。選ばれたのは4案です。
| 順位 | 点 | 商品案 |
|---|---|---|
| 1位 | 77点 | カラビナ付きカードケース |
| 2位 | 74点 | スマティッシュBOX |
| 3位 | 71点 | レコードスタンド |
| 4位 | 70点 | コントローラー専用スタンド |
4位は同点が2人いたそうです。実現できそうなほうを選んだ、という説明でした。
そのあと、私から一人ずつ講評をしました。選ばれた4案だけでなく、全員分です。正多面体の案は本当に知らない世界で、幾何学にこんなものがあるのかと初めて見ました。眼鏡置きの人には、自分も眼鏡を何種類も持っているので使ってみたいという話を。ケーブルホルダーは、留める部分が全部小さいので、入れやすさがそのまま使い勝手になる。実用的だと思いました。

案を出した4人がリーダーになって、残りの学生が希望で入ります。14名が、3名の班が2つと4名の班が2つ。ここから先は個人戦ではなくなります。
グループになったら、リーダーが自分の案をもう一度説明して、メンバーから意見をもらう時間です。私は机を回っていました。


買ってくる部品を、班ごとに1枚
私からは「全部を3Dプリンターで作らなくていい」という紙を1枚配りました。苦手なところは買ってきた部品にまかせたほうが、壊れにくくなるし、作る時間も短くなります。
あわせて、班ごとに1枚ずつ助言の紙を用意しました。4案それぞれ、どこでつまずきそうかと、どこを買ってくるとよいかを書いたものです。
- カラビナ付きカードケース。カラビナは金属のを買ってきて付ける。鞄やベルトに提げて歩くと引っぱる力と落とした衝撃が何度もかかるので、積み上げたPLAは層の境目から割れます。みんなが作るのは取り付け穴だけでいい
- スマティッシュBOX。ティッシュの箱は約230×115×55mm。箱ごと覆う形にすると、どうやっても150mmに入りません。覆うのをやめて、箱の上に載せる天板だけにする
- レコードスタンド。12インチのレコードは直径が約302mm、ジャケット込みで230gほど。立てると重心が高くて、軽いPLAのほうが負けます。底にナットやコインを入れるポケットを作る。中に空洞を作れるのは3Dプリンターの得意技なので、これ自体が売りになります
- コントローラー専用スタンド。コントローラーは幅が160mmほどある。全体を覆うと150mmを超えるので、受け2点とベースにする
「15cm角以内」は1個でという意味ではありません。分けて組み合わせてもかまいません。そう書いておいたのですが、口でも何度か言いました。
値段の話もしました。カードケースの班は、調べてきたライバルが6,600円と1,640円なのに、自分たちの値段を1,000〜1,500円に置いていました。安いで勝負すると、量産している会社には必ず負けます。学生なのでつい安いほうに寄るのですが、できれば高いものを作ったほうが生き延びる可能性が高い。値段は11月9日の回でやり直します。
ポンチ絵を、その場で1枚
私の話のあと、ポンチ絵の練習を全員でやったほうがいいのでは、という話になって、その場で紙と鉛筆を配ってやることにしました。正面から1枚だけ。
描くには、リーダーからどんなものを作るのか聞かないと描けません。先に仕様が決まらないと手が動かない。そういう話をしました。


机を回って、寸法の入れ方を言って回りました。この形を作ろうと思ったら、こっちから見た絵とこっちから見た絵がいる。どこがどれだけ出ているか、角がRなのか、全部数字で書いておかないと、こちらで作るときにピンボケになります。
曲面が連続して変わっていくような形は、立体で描くのも図にするのもかなり難しい。まっすぐな線とRの組み合わせなら簡単です。難しいかどうかは、描いてみると分かります。
バネを入れたいという話も出ました。小さいベアリングやバネはネットで売っているので、買ってくればいい。そのぶんの寸法も仕様に入れておいてほしい、という話をしました。
役割を決める
ワークシートの時間の途中で、野間先生から役割の話がありました。仕様書はみんなで話し合って決めてから、ポンチ絵を描く人に渡す。業界・ライバル分析も、みんなで出し合ってから、まとめる人を決める。希望があれば、3D CADをひたすら勉強してみんなの商品づくりに活かす人を1人立ててもいい。全員に何かしらの役が回るようにしてください、と。
皆さんも30歳くらい、もしかしたらもっと早くにプロジェクトチームに入れられることがある。そのときに一緒にやりにくい人だと思われないように、という趣旨の話もしていました。

先生の画面をのぞいたら、4つの班の名前が並んでいて、コントローラーの班が「コントローラー専用カニ型スタンド」になっていました。いつのまにか名前が変わっていたわけです。
このあと、班ごとに今日決めたことを言ってもらう時間がありました。そこは写真を撮るのを忘れました。
この先の予定
- 11月2日 一次案の発表。1グループ3分と聞いています。宿題はポンチ絵の仕上げ(4つの向きと寸法をmmで)と、想定価格の根拠をひとつ
- 11月9日 値決めの回。原価と値段の話をする予定
- 12月21日まで 3Dプリンターで試作
- 1月25日から1週間 ヤフオクに出品
- 2月1日 成果報告
次回とその次で発表まで一気に進みます。休まずに出てきてほしいところです。
買ってくるところを決めるのも、設計のうち
ギルドデザインは「あそび心を形にする」を掲げて、バイクのカスタムパーツやiPhoneのアルミケースを作っている会社です。
自分たちで全部作るのがいちばん偉い、という気がしてしまうんですけど、実際はそうでもありません。どこを自分で作って、どこを買ってきて、どこは諦めるか。それを決めるところまで含めて設計だと思います。
次は一次案の発表です。15cmの中にどう収めてくるか、楽しみです。